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研究概要

ポスト「京」を駆使することにより、太陽電池、人工光合成による新エネルギーの創出・確保、燃料電池、二次電池によるエネルギーの変換・貯蔵、また、メタンやCO2の分離・回収、貯蔵、触媒反応によるエネルギー・資源の有効利用など、太陽光エネルギー、電気エネルギーや化学エネルギーにおいて中心的な役割を担う複雑で複合的な分子・物質過程に対する電子・分子レベルでの全系シミュレーションを行い、実験研究者、産業界と連携して、高効率、低コスト、また環境に優しく持続可能なエネルギー新規基盤技術を確立します。

同時に、これまで計算機資源の不足により制限されていた孤立系や部分系における単一現象の科学から脱却し、現実系である界面、不均一性を有する電子、分子の複合現象を統合的に捉え得る新しい学術的視点を確立し、科学的なブレークスルーを達成します。

  1. 必要性の観点
    新規エネルギー源の確保、効率的な変換、貯蔵、利用技術の開発は我が国喫緊の重要課題であり、既存の多数の国家プロジェクトとの連携や発展途上国でのエネルギー施策などへの国際貢献が強く期待されています。
  2. 有効性の観点
    エネルギーの創出、変換・貯蔵、利用に関する複雑な現実系の全系シミュレーション技術の開発は、我が国のエネルギー基盤技術のブレークスルーに繋がります。大規模プロジェクト、実験・企業研究者や計算機科学者との強力な研究体制が育ちつつあります。
  3. 戦略的活用の観点
    複雑な要素が相互に相関する複合系の微視的挙動を対象とした大規模、長時間シミュレーションは、ポスト「京」を駆使して初めて可能となります。小規模系などへの適用で産業への展開が可能であり、大きな波及効果が期待できます。

ポスト「京」利用の必要性

経験に頼ったエネルギー関連複合材料の開発では革新的新材料は生み出せません。物理と化学の基礎方程式から出発した大規模計算に基づく計算科学的な設計・制御が必要となります。
「京」では、部分系、モデル系に対する計算に止まっています。エネルギー問題の解決には複合物質の全系シミュレーションが必須です。また、工業的に使用される条件や実験条件下での多数の統計量に基づいた解析も重要です。
これらの計算を実施するには、「京」で10~50年はかかると考えられ、ポスト「京」の使用が不可欠となります。

期待される成果・波及効果

  • 変換効率の高い太陽電池を安価な元素や有機系で実現し、実用化を促進し、また人工光合成系の確立により新規エネルギー源の確保が可能となります。
  • 安価で高速充電、高容量の二次電池や高効率の燃料電池の開発を可能とします。
  • 白金などの貴金属を使用しない高機能触媒の開発により、エネルギー多消費型物質生産の革新が可能となります。
  • ハイドレートの生成・分解過程の解明により、メタンの効率的な分離、精製方法、安全な貯蔵技術の確立が可能となります。
  • 二酸化炭素を低コストで捕集・変換する技術を開発し、地球規模での二酸化炭素抑制、化石燃料の有効利用に貢献します。

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